プロフィール
- Makoto Kawashima

- 2025年12月31日
- 読了時間: 2分
川島の特異なソロ実践を極限まで推し進める姿勢は、阿部薫、白石民夫、占部雅祥といった、既成概念を打ち破ってきた日本のサクソフォン奏者たちの系譜に、彼を明確に位置づける。即興音楽の最前線において、川島の音楽はきわめて脆く繊細な精神性を露わにし、恍惚とした音色や質感の爆発と同時に、沈黙や微細な音、ためらいのような瞬間にも同等の重みを与えている。
その音楽は、ソロ即興の世界においてしばしば見られる誇示や虚勢を退け、圧倒的に親密で、無防備な佇まいを保っている。鋭く焼き付くような旋律線や、重層的で荒々しいテクスチャーを立ち上げながら、それらを突如として崩壊させ、音を虚空へと消失させる――その身振り自体が、川島の表現の核心を成している。
何よりも川島が探求しているのは、演奏者と楽器、内的な自己と外界とのあいだに存在する境界線を消去することだ。
「アルト・サックスは、唯一、身体の一部になる楽器です。魂が自分の精神と融合するような感覚がある。構えて音を出そうとした瞬間、自分の背後に“外部の何か”が現れる」
川島の演奏には、苛烈な抽象性の只中にブルースやスピリチュアル・ミュージックの要素が織り込まれ、アルバート・アイラーの精神を想起させる、切迫したヴィブラートが響き渡る。その根底にあるのは、彼自身の個人的体験に裏打ちされた明確な意識である。
「僕はいつも霊的なものを見る。影や幻影のような存在。それらは、内的世界と、外界が自分に作用する境界線に現れる。自分が目を背けたくなる、本質的な自己の部分――それに具体的な現実を与え、旋律として外へ解き放ちたい」








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